『帰ってきたヒトラー上・下』読了

ヨガ講師ときどき作家のKAKOこと森本和子です。いつも私のページに来てくださってありがとうございます。

8月11日からお休みを取って6日目を迎えました。みなさんは、どんな休日を過ごされているのでしょうか?

なぜか、お休みに入ってから雨模様。しかも涼しいです。冷蔵庫の中にある小玉スイカを食べる気にならずにいます。スイカは大好きなんですが、暑い日に食べたいです。

ノープランの日々を過ごしています。のんびりはしていますが、相棒もお休みしていいるので、三食ご飯を作っています。そろそろ三食毎回作るのは、面倒になってきました。相棒よ、早く仕事に行ってください。
溜まった経理も八か月分、一気に仕上げました。PCに向かうこと5時間30分。なんと集中力があることか。我ながら自分に感心します。これからは、ためずに毎月1日経理の日を決めようと心に誓いました。とはいえ、それがなかなか実行できないから、ため込んでしまうのですが。経理の伝票入力はちっとも楽しくないですからね。

11月11日予定の多摩ヨガフェスタの構想、講師選択もしました。11月11日、今から予定を開けておいてね。そして、参加して、一緒に多摩ヨガフェスタをお盛り上げてくださいね。

9月9日はサンセット海ヨガ!鵠沼海岸にて 16時から17時30分まで

さて、今日は本の話。『帰ってきたヒトラー上・下』読み終えました。
いや、面白かった。発売以来250万部売れているのも、頷けます。イスラエル圏でも出版されています。
誤解のないように言っておきますが、私は平和を望んでいますし、ヒトラーが行った『ホロコスト』を否定しています。人が人を殺してはいけないと強く信じていますし、戦争反対、人種差別反対しています。仏教では慈悲を解いていますし、ヨガ哲学では、アヒムサ、非暴力を説いています。

ですが、この本は本当に面白い。ヒトラーを笑いの種にしているだけではなく、物語の中に真実や物事の見方をちりばめているのです。
『帰ってきたヒトラー下』の中に
「もし、あなたがだれかに責任を問いたいなら、可能性は二つ。一つはナチスの指揮権をたどること。それによれば、事態に責任を負うべき人間は、総統の座でともかく責任を引き受けている人物ーつまりは総統本人だ。もう一つの可能性。それは、総統を選んだ人々や罷免しなかった人々にこそ、責任があると考えることだ。非凡な人物を総統に選び、彼を信じて祖国の運命を任せるという選択をしたのは、どこにでもいる市井の人々だったのだ」
選んだ人たちにも責任があるのです。学生時代に読んだ『自由からの逃走』を思い出しました。烏合の衆は、決断してくれる人を標榜するのです。テレビや新聞インターネットに踊らされず、自分の目で見、自分の頭で考える習慣を作って行かなければいけないと思います。2011年に生き返ったヒトラーは、2011年のドイツの状態、60年後のドイツの状態を自分の目で見、自分の頭で分析、解釈していくのです。

同じく下に
「歴史とは結局、勝者によって書かれるものであることを。ドイツが行ったことが前向きに評価されるためには、ドイツは勝者であらねばならないのだと。」
至極まっとうなことですね。歴史はしばし、勝者の手によってゆがめられ、自分たちの都合の良いように改ざんされています。

同じく上に
「人間は何に対しても、全身全霊でわき目をふらぬ一途さで取り組ま無くてはならない。そうで中れば何も実を結ばない」
これも真実です。何か一心に打ち込まなければ、何事も夢をかなえることはできません。

面白い本には抜き書きしたくなるような箇所が随所にあります。
本書の終わり方もいいですね。
「悪いことばかりじゃなかった」
歩き出すのだ。このスローガンとともに。

2011年に生き返ったヒトラーが、現代のドイツが抱えている問題解決のために、新しい運動を立ち上げる決意に満ちて終わっている。

役者あとがきから

作者ヴェルメッシュは、(南ドイツ新聞)のインタビューで次のように語っている。
「ヒトラーに関するこれまでの説明やアプローチや視点はどれもみな同じだった。そして、人々の多くは自分の精神衛生のため、彼を一種の怪物として解釈してきた。(中略)だがそこには、二元アドルフ・ヒトラーに人を引きつける力があきらかにあったという視点にが欠けている。(中略)人々は、気の狂った男を選んだりしない。人々は、自分にとって魅力的に見えたり素晴らしいと思えたりする人物をこそ選ぶはずだ」

作者はヒトラーを魅力的に描いている。しかも、一人称で、ヒトラーの視点で語られている。一人称でこれだけ語れる作者の力が凄いと感じた。興味を持ったので、さっそく、蔦屋でビデオ『帰ってきたヒトラー』を借りてきてみた。本書の終わり方の方が好きだし、面白いと思った。

この本を読むことによって私の創作脳が大いに刺激されたのは、間違いない。

 

お時間ある方、一読をお勧めします。読んで損はない本です。