今日のおすすめ本『さよなら、スパイダーマン』

今日の本は『さよなら、スパーダ―マン』アナベル・ピッチャー著・中野玲奈訳 偕成社発行
読み応えがある児童書でした。大人が読んでも十分楽しめる本です。
ジェイミーという10歳の少年が主人公。15歳の姉ジャスが弟の面倒を見ている。
ジャスは双子として生まれたが、5年前の無差別テロで双子のローズが爆死している。それが原因で両親は不仲になり、母親は家族を捨てて、別の男性のもとへ。
残された父親は、娘を失ったショックと妻に去られた悲しみで、仕事もせずに酒浸りの毎日。子どもたちの世話もしない。
15歳のジャスが弟の食事の世話をしている。時には酔いつぶれた父親の世話もしていいる。
テロという不条理な事件により崩壊した家族の中で、ジャスとジェイミーは、生きている。
転校先でジェイミーを助けたのは、イスラム教徒のスーニャ。
父親は大のイスラム教徒嫌い。
スーニャと親しくすることに罪悪感を感じるジェイミーだったが、次第に「大人がすべて正しいわけではない」と、自分の目で見て、自分が感じ、信じることで行動するように成長していく。クラスのいじめにも立ち向かっていけるまでに成長していく。
とにかく面白い。一読をお勧めする。