『風に舞い上がるビニールシート』を読んで。KAKOYOGAは京王線南大沢駅徒歩12分です。

今日の八王子の空は、今にも雨が降り出しそうな、どんより曇った空です。雨降るのかしら?

今日は昨日、読んだ本の話です。『風に舞い上がるビニールシート』森絵都

森さんは、この作品で直木賞を受賞する。森絵都さんがデビュー当時から、ほとんどすべての本を読んでいる。彼女は一作一作、うまくなっている。いつかきっと大人向けも書くだろうなと思っていたら、やはり書きました。

短編連作の1冊。『鐘の音』よく仏像のことを調べていていて、そして、最後の展開、結末があっと言わせる。実は主人公は見ているつもりが、全く真実が見えていなかったことに気づく。最後まで読んで構成のうまさを感じる。ひねりと落ちがある。

『守護神』は、某大学の2部学生の話。森さんも作家になってから早稲田大学に社会人入学されているので、そこでの経験をモチーフに書かれたんだと思います。ライター時代、二度ほど森さんを取材しているので、その時にいろいろお話を伺っています。努力してまじめに生きることが疎んじられている昨今、軽薄を装う大学生が主人公。最後は、自分自身を見つめなおし、受け入れる。

『ジェネレーションX』

若者と中年男性の掛け合い。若者によって胸の中の小さな火を燃え上がらせる中年男性は、かつての甲子園球児。だらだらと続く、携帯電話の内容にいらいらしつつ、最後で大きく転換。後味がいい。

表題の『風に舞いがるビニールシート』は、これから読みます。きっとこれも面白いでしょう。

児童文学作家ならではの大人小説。暴力シーンも濡れ場もない。それでも面白い。さすがです。

まだ未読な方は、ぜひ、読んでみてください。何かに気づかせてもらえます。

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