寛容の美徳 『デカメロン』から学んだこと

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今日は本の話です。

ダンテの『神曲』地獄編・煉獄篇・天国篇の全三冊を読了後、ボカッチョの『デカメロン』上・中を読み終わりました。ボカッチョは、ダンテを尊敬していたと言われています。
ダンテの『神曲』を下敷きにしてボカッチョは『デカメロン』を書いたと言われています。確かに読み比べると、節々にその痕跡が見受けられます。
『デカメロン』と言えば、男と女の話が多いのですが、その中に、真実や真理がキラキラと垣間見られるのです。
翻訳者の解説文に『キリスト教徒とユダヤ教徒とイスラム教徒の平和共存を主張する。ダンテがキリスト教の正義を激越な声で高らかに唱えた人であるなら、ボカッチョは寛容を穏やかな声で笑いを交えつつ語った人である』とあります。そのことは、『三つの指輪』に描かれています。

死後の生命より、生きている生命のほうが大切です。ヨロッパの中世時代、宗教戦争で血で血を洗った時代の後、平和共存の思想が生まれました。

なんと『新約聖書』ヨハネ伝第八章四十四節にはユダヤ人について「汝らは己が父、悪魔より出でて己が父の欲を行わんことを望む。彼は最初より人殺しなり」と出ているそうです。
宗教界改革で有名なルターが「彼らユダヤ人の会堂や学校に火をつけよ」と聖書をドイツ語に訳したそうです。プロテスタントのドイツ人は、何世代にもわたってこの言葉を唱えてきたそうです。
つまり、ヒットラーの背景にはこんな歴史があったのですね。

寛容の精神は尊いと思います。男と女の話が多いボカッチョの『デカメロン』から、キリスト教とイスラム教などの背景まで勉強になりました。

皆さんも、ぜひ、本を読む時間を毎日の生活の中で作ってくださいね。本を読むことで心は豊かになります。これから『デカメロン』の下を読み始めます。

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